
あざには青あざ(蒙古斑など)・赤あざ(血管腫など)・茶あざ(扁平母斑など)などいくつかの種類があります。ほくろは『母斑細胞母斑(色素性母斑)』もしくは『単純黒子』と言われます。ほくろの種類は生下時より存在する『先天性母斑』と後天性に生じる『後天性母斑』に分けられます。多くは後天性母斑です。これらのほくろの中には基底細胞上皮腫や悪性黒色腫との鑑別を要するものもあります。
太田母斑は額、目の回り、頬、鼻、耳介に生ずる青あざで顔の片側に生じますが、稀に両側性に生ずることもあります。太田母斑は生後半年以内に生ずることが多く、出生時に存在することは稀です。また、思春期に色が濃くなったり、20歳~40歳台に新たに色素斑が発症することもあります。
典型的な太田母斑は青紫色から灰紫青色で、そこに薄い褐色の小色素斑が混在します。しみと思っていても青色ないし灰紫青色の点状の色素斑が混じっている場合は太田母斑の可能性があります。
また、目の下の『くま』も軽症の太田母斑である可能性があります。しばしば白眼のところに青色の色素斑が存在することがありますが、この場合は出生時に顔に色素斑が存在しなくても、ほとんどの症例が思春期までに顔に青あざが生じ、しかも色素斑は広範囲に拡大することが多いようです。肩から肩甲骨にかけて生ずる青あざは伊藤母斑と呼ばれ、これも自然に消失することはありません。
真皮にはメラノサイトが存在しないのが普通ですが、日本人など黄色人種では、大部分の赤ちゃんで、お尻から背中にかけて、真皮にメラノサイトが認められます。そのため、日本人の赤ちゃんのお尻から背中にかけて、青あざがあり、これを蒙古斑と言います。蒙古斑は生後2歳頃までには青色調が強くなりますが、その後、徐々に薄くなり10歳前後までには大部分が消失します。しかし約3~4%が成人になっても残存することがあり、持続性蒙古斑と呼ばれます。また稀に腕や足、お腹や胸などにも蒙古斑が生ずることがあります。このような場所にできる蒙古斑は、異所性蒙古斑と呼ばれ、歳をとっても完全に消失しません。
茶あざは表皮に存在するメラニン色素が多いために、周りの皮膚より茶色く見えるあざです。カフェオレ斑、扁平母斑、ベッカー母斑があり、そばかすや年をとって生ずるしみとは医学的に区別されています。
カフェオレ斑は生まれた時に存在しますが、生後まもなく生ずることもあります。カフェオレ斑は境界が明瞭で10~20%の人に認められるありふれたものですが、径1.5cm以上の色素斑が6個以上あればレックリングハウゼン病という遺伝疾患の可能性もありますので、大学病院で診察を受けてください。
我が国では、von Recklinghausen(フォン・レックリングハウゼン病)やAlbright(オールブライト)症候群にみられる色素斑を「カフェオレ斑」と称し、これらの疾患を合併していない臨床的に区別ができない色素斑を「扁平母斑」と呼んでいます。
ベッカー母斑は遅発性扁平母斑とも呼ばれ、思春期に生ずる大きな褐色の色素斑です。表面はややザラザラし、境界はギザギザしていることが多く、肩甲部から前胸部にかけて生ずることが多いのですが、お腹や四肢に生ずることもあります。約半数の患者では色素斑に多毛が認められます。
医学的にほくろは『母斑細胞母斑(色素性母斑)』もしくは『単純黒子』と言われます。ほくろの種類は生下時より存在する『先天性母斑』と後天性に生じる『後天性母斑』に分けられます。多くは後天性母斑です。 色素性母斑の病変部には剛毛を認められる場合が多いです。
※当院ではダーモスコピーを用いて正確に診断した上で、適切な治療を心がけています。
交通事故や転倒などの外傷で傷に砂などの異物が混入したり、鉛筆の芯などが刺さった場合、これらの異物を除去しない状態で傷が閉じてしまう(治ってしまう)と、その異物は真皮内に埋め込まれて残ってしまうため、色素沈着を来してしまいます。これを「外傷性色素沈着」といいます。 自然消退はありませんので、レーザー治療が有効です。
意図的に入れた刺青などもレーザー治療の除去対象になりますが回数はかなりかかります。
アートメイクなどメイク調の刺青もレーザー治療の除去対象になりますが、刺青やタトゥーと同様に回数はかなりかかります。
異所性蒙古斑は10歳頃までにある程度色調が薄くなりますが、消えない青あざや太田母斑に対しては治療を必要とします。治療はレーザー治療が最も良く、Qスイッチ・ヤグレーザーを使用します。Qスイッチ・ヤグレーザーは青あざに対し保険適用の治療が可能です。レーザー治療は3~4ヶ月間隔で複数回の治療が必要となってきます。レーザー治療を行うと、一時的に色が濃くなる(炎症後色素沈着)ことがあります。炎症後色素沈着があるうちにレーザーを照射すると色が白く抜けることがあります。他の青あざにもQスイッチ・ヤグレーザーは有効ですが、皮膚の深部に存在する真皮内メラノサイトには充分なレーザー光が到達しないため、ある程度色が薄くなっても、それ以上の色調の改善が認められない場合もあります。
※扁平母斑は保険適用外
扁平母斑は保険適用外の治療となります。扁平母斑は必ずしも満足がいく結果は得られていません。レーザー治療を一回照射するだけできれいに色が消える場合もありますが、大部分はレーザー照射後に色が濃くなったり、その後、毛穴に一致して黒色の斑点が生じたりします。その後、数ヶ月~半年以上たって元の茶あざに戻りますので、レーザー治療は無効と言わざるを得ません。レーザー照射前には治療効果を予測することはできないため、一部の色素斑をテスト照射し、その結果から今後レーザー治療を行うかどうか決めた方が良いかと思われます。