アトピー性皮膚炎
「アトピー性皮膚炎」の定義(※日本皮膚科学会)
●アトピー性皮膚炎:
・増悪・寛解を繰り返す掻痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患であり、多くはアトピー素因をもつ
●アトピー素因:
・家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)
・IgE抗体を産生しやすい素因
症状
かゆみを伴う皮疹(発疹)が左右対称性に分布し、顔面、耳周囲、首、四肢関節部、体に好発します。
診断基準
- かゆみ
- 特徴的皮疹(発疹)と分布
- 慢性・反復性の経過(乳児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上を慢性とする)の3つの基本項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断します。
アトピー性皮膚炎の治療
基本はスキンケアから
スキンケアを継続することで、再発予防につながります。毎日入浴やシャワーで皮膚を清潔に保ちましょう。入浴後すぐに保湿剤を塗り、肌をこすらず、刺激の少ない衣類などを選ぶとよいでしょう。汗をかいたら早めに洗い流したり、爪を短く切るなども重要です。睡眠不足やストレス、悪化因子(乾燥、ダニ、花粉、刺激物など)があれば掃除などを心掛けましょう。
外用薬(塗り薬)
皮膚の炎症を抑えるためにはステロイド外用薬が基本となります。
症状によって内服薬(抗ヒスタミン薬)を併用します。
炎症が治まって良い状態が続いている時も保湿剤と組み合わせてアトピー性皮膚炎外用薬やステロイド外用薬を使用してください。
- 皮膚の炎症を抑えるためにステロイド外用薬が基本となります。
- 炎症が治まって良い状態が継続している場合も、保湿剤は継続してください。
- ステロイド外用薬による抗炎症治療と保湿剤による皮膚バリア機能の改善が主体となります。
- かゆみに対して抗ヒスタミン薬内服が有効です。
- その他、アトピー性皮膚炎外用薬であるタクロリムス軟膏(カルシニューリン阻害外用薬)、デルゴシチニブ軟膏(ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害外用薬)、ジファミラスト軟膏(ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害外用薬)、タピナロフ軟膏(AhR調節薬)軟膏など使用します。
内服薬(飲み薬)
外用薬だけでは十分に改善しない場合には抗ヒスタミン薬(かゆみを和らげる)の内服を併用します。
アトピー性皮膚炎の中等症~重症
- デュピルマブ注射(デュピクセント)
デュピクセントは中等症〜重症のアトピー性皮膚炎に使用される生物学的製剤(バイオ医薬品)でIL-4/IL-13(インターロイキン4/インターロイキン13)の両方を選択的に阻害することで炎症を抑えます。
- トラロキヌマブ(アドトラーザ)
アドトラーザは中等症〜重症のアトピー性皮膚炎に使用される生物学的製剤(バイオ医薬品)で主にIL-13(インターロイキン13)を選択的に阻害することで炎症を抑えます。
- ネモリズマブ注射(ミチーガ)
ミチーガはアトピー性皮膚炎の強いかゆみを抑えるために使用される生物学的製剤(バイオ医薬品)です。IL-31(インターロイキン31)を選択的に阻害することでかゆみを抑えます。
生物学的製剤(バイオ医薬品)投与スケジュール
デュピクセント
- デュピルマブ注射(デュピクセント):300mgペンは53,659円/1本(1キット)です。初回600㎎(2キット)注射し、2週間後に2回目300㎎(1キット)注射します。その後は2週間隔で注射していきます。初月の薬価(3キット分)は160,977円(3割負担の場合48,293円、2割負担の場合32,195円、1割負担の場合16,097円)となります。
アドトラーザ
- トラロキヌマブ(アドトラーザ):300mgペンは41,859円/1本(1キット)です。初回600㎎(2キット)注射し、2週間後に2回目300㎎(1キット)注射します。その後は2週間隔で注射していきます。初月の薬価(3キット分)は125,577円(3割負担の場合37,673円、2割負担の場合25,115円、1割負担の場合12,558円)となります。
ミチーガ
- ネモリズマブ注射(ミチーガ):60mgシリンジは116,009円/1本(1キット)です。初回60㎎(1キット)注射し、4週間後に2回目60㎎(1キット)注射します。その後も4週間隔で注射していきます。毎月の薬価(1キット分)は116,009円(3割負担の場合34,802円、2割負担の場合23,201円、1割負担の場合11,601円)となります。
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