酒さ:主として中高年の顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患です。
鼻部・鼻周囲・頬部・眉間・あごの顔面の中央部に紅斑や不規則な毛細血管拡張、ざ瘡様の丘疹(ブツブツ)や膿疱を伴います。 鼻部は症状が長引くと悪化して、鼻瘤(鼻が赤く腫れて、皮膚の表面が硬くボコボコして盛り上がっている状態)をきたすことがあります。 悪化因子として紫外線・刺激性食物(アルコール、香辛料など)摂取・ストレス・急激な温度変化などが知られています。
一過性の紅斑が出現し、持続性の毛細血管拡張と脂漏を伴い、ほてり感が主体となります。
ざ瘡に類似する丘疹(ブツブツ)に膿疱と脂漏が伴ってきます。
丘疹が密集集合して腫瘤状を形成する。特に鼻は毛孔が拡大して鼻瘤となります。
眼瞼・眼球結膜の充血や炎症を伴ってきます。
ステロイドの外用・内服療法やタクロリムス軟膏(カルシニューリン阻害外用薬)などの長期使用により酒さに臨床的に類似した症状が誘発された皮膚炎です。顔面の紅斑、特に頬部や口囲を中心として顔面の皮膚が赤くなり、丘疹(ブツブツ)や膿疱を生じます。ステロイドによって誘発された酒さ様皮膚炎を「ステロイド酒さ」、口囲に限局する場合に「口囲皮膚炎」を称し、基本的には酒さ様皮膚炎と同義と考えられています。